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Pは誰が決めるのか? 「俺のフレンチ」に見るMG的考察

 

「俺の…」というレストラングループが快進撃を続けています


その基本コンセプトは

「最高級食材を使って一流のシェフがつくる料理(フレンチやイタリアンなど)を居酒屋並みの価格で提供する」


この明快でいかにもというコンセプトを担保する要因をMG的考察でアプローチしたいと思います


まず同一地域多店舗展開によっていろいろな相乗効果が生まれます
すなわち店舗間の競争が生まれ  人員の融通ができ  資源の効率化や

お客の選択肢が増えることによる機会損失の減少などです


この戦略の

①圧倒的シェアの獲得や

②圧倒的存在感・認知度の獲得に導く要因は以下のものです

 

1.回転率が異常に高い    ハイQである   通常は1回転のところが3.5回転

2.銀座の一等地に集中出店  ハイQ確保のために好立地に出店する  ハイF2

3.高級食材と一流の料理人  ハイVとハイF1    原価率60%超(通常は30%)

4.低価格          ローP  銀座で居酒屋並みの価格なので客は安いと思う 

5.顧客満足度は高い     ハイバリュー ワインやお酒も飲むので客単価は@3000~


なかでも今回は「経営は逆算である」「値決めは経営」

Pから逆算するQに焦点をあわせてみます


Pは市場(お客)が決めます  相場価格や値ごろ感と云われるものです

それがMGでは「コールプライス」と云われるものです


お客が決めるP(コールP)と店側が決めるVが決まれば、必要MQから逆算した絶対Qが決まります

限られた席数と営業時間内で目標Qがいかに効率よく流れるのかが死命を決します

その絶対必要Q獲得のためのPやVやFなのです


経営とはPVQFGの5つの要素が有機体のように絡み合う複合体を形成してします

ひとつの要素だけで計画を策定できることはありえません


また経営は率ではなく、ΣMQの総額です 
ですから「俺の…」では原価率100%超の料理も提供します

原価と価格は関係ないのです


自動車王フォードはその経営哲学でこう述べています

「まず価格を低いところに決め、その価格で経営が成り立つよう全員が最も効率よく働かざるをえないようにすることだ。このように追い込まれた状況の中で製造方法や販売方法について発見を重ねていくのであって、時間をかけてゆっくり調査研究した結果ではない」IMG_4578.JPG


世の中で一般的な価格設定の方法はコストプラス型価格設定です

「つくるものを決める(何を作るか?)→そのためのVをFCで計算する(見積もり)→Mを乗せる→Pを決める」という順番に考えがちです

多くの人が当たり前にこの方法が正しいと考えています
ですがMGではこの方法でPを設定すると全く売れず倒産していきます


「そのPが顧客にとって、しかるべきバリュー(便益)があるか」という視点が欠けているからです

 

「俺の…」の坂本社長やフォードが行ったのはその逆、便益(バリュー)基準型価格設定なのです


最初に顧客満足や顧客の便益を決めたうえでPを決める

そのPの実現のために必要なVとFを決め、絶対Q(MQ)を獲得できる算段がついてから、

商品・サービスを作るかどうかを意思決定するのです


これがP決定の王道でありMGで学ぶことだと思います


 

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